九寨溝の名は観光地内の9つのチベット族寨子(樹正寨、則查窪寨、黒角寨、ハスの葉寨、盤亜寨、亜拉寨、尖盤寨、熱西寨、郭都寨)から来ており、この9つの寨子は「和薬九寨」とも呼ばれています。九つの寨子のチベット民が代々住んでいたため、「九寨溝」と呼ばれたのがこの観光スポットの始まりです。
上記のように九寨溝の名称は9つのチベット族寨子に由来し、観光地全体が「Y」型をしています。
「Y」の下部分は樹正溝観光地と呼ばれており、樹正溝溝口は観光地の入り口となっています。また「Y」の左右の2本は左が「則查窪溝」、右が「日則溝」となっています。
九寨溝の主な観光地はこの3つの溝に分かれており、2017年の四川地震による修復作業が必要となり、観光地は区域ごとに限定して開放されています。
樹正溝(扎如寺を除く)、日則溝(ノ日朗から五花海までの観光地)、則查窪溝の解放区域は、地震前の85%程度まで戻っており、全てが開放されていないものの、九寨溝の絶景スポットは基本的に全て見て回れます。
※ 2021年9月28日をもって、すべての改修作業が終わり現在では全開放されています。
九寨溝での移動方法
観光客は観光バスに乗ってゲートから観光地に入ります。九寨溝の主溝の長さは60キロ余りで、観光地内には九寨溝専用の観光バスがあります。各観光地にはそれぞれ専用の駅が設置されていて、観光客は観光バスの切符を買った後、指定の駅で自由に乗り降りすることができます。
九寨溝の観光では、「観光バス+徒歩」は必須の移動手段ですので、旅行する前にある程度調べておくことをお勧めします。
参考料金について_
繁忙期 (4月1日から11月15日まで)
⇒ 観光乗車券:¥90元/人
オフシーズン (11月16日から翌年3月31日まで)
⇒ 観光乗車券:¥80元/人
樹正溝[入り口]
九寨溝観光地の入り口
樹正溝は九寨溝の主溝であり、九寨溝観光地の入り口でもあり、全長は13.8キロで、様々な湖が40余りある。重点的に観光をお勧めします:葦海、盆栽灘、樹正群海、火花海。
葦の海
葦の海は半沼の湖です。青々とした湖水は黄金色の葦の茂みに囲まれていて、水鳥が生息する聖地となっています。サギやアヒルがかわいく泳いでいる姿がよく見れるスポットです。
盆栽灘
盆栽灘はカルシウムが堆積した浅瀬で、水中にはツツジ、ヤナギ、松、柏、高山柳などの水性を好む植物が生えています。不思議なことに、木の根元には鉢状のカルシウム堆積物があり、木々が天然の盆栽のように生えています。
樹正群海
樹正群海では、上部の海子(火花海や双龍海、臥龍海など)の水が湖の堤防を越えて、いろんな茂みからあふれ出てきています。その光景は水しぶきで白い水花を咲かせているようで、青々とした林の中を縦横無尽に走り回っています。また、ここからさらに水の流れは堤防に沿って下っていき、水カーテンを形成しています。これは、それぞれの湖の階層がはっきり分かれいるから起こり、さらにその湖の色は、緑の中に青が入ってすごく神秘的な光景になっています。
火花海
火花海は双龍海と臥龍海の間に位置し、紺色の水面には鏡のように波が平らです。海子の周りには、茂った林があり、湖の水面に移りこみます。結果として、水がきらきらと透き通ったエメラルドのようになります。さらに太陽が昇ると、湖面は太陽の屈折の作用で金色に輝き、火花が水の中で動いているように見えます。
日則溝
全長16キロの九寨溝で最も人気の観光地
日則溝の風景線は全長16キロで、ノ日朗の滝と原始林の間にあり、九寨溝の絶景スポットです。中でもおススメのポイントは五花海、真珠灘の滝、ノ日朗の滝などです。
五花海
五花海は名実ともに色とりどりの湖で、「九寨溝一絶」という別名が与えられるほど有名です。日光、藻類、カルシウムの作用で、湖水は天然の色とりどりの美しさを現します。
真珠灘の滝
真珠灘の滝は五花海の下流に位置します。滝は灘に打たれ、水の玉は真珠のように見えるためこの名前がつけられています。中国で昔流行ったドラマ「西遊記」のオープニングで、唐僧師弟が馬を引いて水を渡った場所がここです。
ノ日朗の滝
「ノ日朗」はチベット語で「壮大なる姿」という意味で、ノ日朗滝はカルシウムの沈殿でできた中国で最も広い滝として知られています。滝はまっすぐに流れ勢いもすごいのですが、真冬には独特の氷瀑の奇景が現れることから、冬とそれ以外の季節の静と動のコントラストが素晴らしい景観を演出しています。
則査窪溝
九寨溝で最も距離が長く、最も標高の高い景観地
則査窪溝は九寨溝の4つの観光ルートの中でも、距離が最も長く、標高が最も高い観光ルートです。そのため、ある程度時間を確保し、観光することをお勧めします。特に五彩池、長海が人気スポットです。
五彩池
五彩池は九寨溝の中で一番小さい湖ですが、色彩が一番豊富です。同じ湖の中でも青や緑、ブドウ色のような様々な色が見えます。また、青空が広がっている時には白い雲が水面に映っているのが見えます。
長海
長海は五彩池とは逆で、九寨溝の中でも最い位置にあり、最大の湖でもあります。湖の周りの山は年中雪が積もり、湖水は墨青のような独特の色をしています。ここでは畳翠や雪峰も見え、水源は周囲の山の雪解け水です。
震災遺留・88石
四川大地震の爪痕
2017年8月8日、九寨溝でマグニチュード7.0の地震が発生し、下の写真にある巨石(高さ9.2メートル、重さ522トン)が標高2654 mの山体から河谷に転落しました。この時に、転落した沿道の樹木が破壊され、えぐり取るような溝が形成されたことから、「88石」という文字が刻まれました。人々が四川大地震という自然への畏敬の念を忘れないようにするために作られました。
九寨溝日帰りコース&スケジュール
九寨溝のおススメルート!
一日しか時間が取れない場合は、九寨溝の中でも最も有名な観光スポットを回りましょう。以下のルートが参考になります。高原地区の観光には思ったより体力が消耗しますので、必ず十分な休息後に散策するようにしてください。
さらに、朝早くホテルから出発して観光地に入りましょう。短い時間でたくさん見て回れるように、観光バス+徒歩で移動することをお勧めします。具体的な参考ルートとスケジュールは以下の通りです。九寨溝観光地の地図と照らし合わせて見てください。
「Y」の下:樹正溝 九寨溝観光地の入り口です。大小40余りの海子が含まれています。
「Y」の右:日則溝 九寨溝の最も主要で最も彩のある観光地が含まれています。
「Y」の左:則查窪溝 主な観光地は長海、五彩池、上季節海と下季節海です。中でも上下季節海は季節性の海子であるため、交通の便が悪いのでルートには入れないようにしましょう。
午前の行程「日則溝をメインに」
九寨溝大門を入ると、観光バスの左側に乗ることをお勧めします。行きのルートは海子が左側にあるので、左側からの景色が最高です。戻るときは右側に乗車して帰りの景色を楽しみましょう。
まずは観光バスで「五花海」まで行き、「真珠灘、鏡海」の順で回ります。その後、再びバスに乗り「長海」まで行きます。ここから「五彩池」までは徒歩で大体20分ぐらいかかりますので、景観を楽しみながら歩くといいですね。「五彩池」まで歩いたあとは、再び観光バスに乗り、サービスエリアで昼食などをとるといいです。
午後の行程「樹正溝をメインに」
樹正溝をメインに観光することをお勧めします。有名な観光スポットが最も密集し、徒歩での移動が多い溝です。ノ日朗の滝、サイ海、トラ海、樹正群海、双龍海の順に見て回ると効率的です。一通り見終えたら、観光バスに乗り、扎如寺(下車見学可能)を経由し、九寨溝の入り口まで戻りましょう。
これが、1日だけで九寨溝を大満喫しようと考えている旅行者向けのルート選択です。